名曲紀行 vol.3 フォーレ《ラシーヌ讃歌》
こんにちは、Raindropです。
本日も名曲紀行のお時間です。
フォーレは、パリ音楽院の教授も務めた人物で、なんとラヴェルのお師匠さんでもあります。
ラヴェルはローマ大賞という作曲コンクールに応募しましたが、その斬新さ故に何度も落選し、最後に本選にすら漏れてしまいます。そんな時、それはおかしいと選考委員会に抗議したのがフォーレでした。ラヴェルの中でも随一の名曲《水の戯れ》は、実はこのフォーレに献呈されたもので、たいそう気に入っていたようです。
筆者はフォーレが大好きでして、音楽番組で紹介されていた〈シシリエンヌ〉から入り、全音のピースで出ている〈パヴァーヌ〉に惚れ込み、そこから色々フォーレを聴くようになりました。今回の《ラシーヌ讃歌》は、フォーレの曲を探している時に偶然出会った歌曲だったわけです。
この曲は音楽学校の卒業制作だそうで、作曲部門一位を獲得しているんですよ!
ラシーヌ讃歌という名ですが、実はラシーヌが仏語訳したラテン語によるキリストへの讃歌なのだとか。そんな難しいことはさておいて、とにかくフォーレの音楽、そして《ラシーヌ讃歌》の崇高な、けれどどこか柔らかい絶美に浸ってください。
歌曲ですので、歌詞を載せておきましょう。訳に関してはシープロ海外公演事務局様のHPに素敵な訳が掲載されておりましたので、そちらをご参照いただければと思います。
Verbe égal au Très-Haut,
notre unique espérance,
Jour éternel de la terre et des cieux,
De la paisible nuit nous rompons le silence:
Divin sauveur,jette sur nous les yeux.
Répands sur nous le feu de ta grâce puissante;
Que tout l'enfer fuie au son de ta voix;
Dissipe ce sommeil d'une âme languissante
Qui la conduit à l'oubli de tes lois!
Ô Christ ! sois favorable à ce peuple fidèle,
Pour te bénir maintenant assemblé;
Reçois les chants qu'il offre à ta gloire immortelle,
Et de tes dons qu'il retourne comblé.
この曲を最初に聞いた時どうしようもなく涙が出ました。そんな名曲です。