名曲紀行 vol.2 レスピーギ《6つの小品》より〈夜想曲〉
おはようございます、Raindropです。
本日も名曲紀行のお時間です。
本日は、イタリア。
イタリアというとオペラのイメージですが、紹介するのはピアノ曲です。
《ローマの松》など、規模の大きいオーケストラ曲で知られるレスピーギですが、元々習っていたのはピアノとヴァイオリン。ですから、音楽の中でもピアノがとっても得意なひとで、ピアノ伴奏のお仕事をしたり、自作のカンタータ(声楽曲)のピアノ伴奏版をつくるのに熱中したりしていました。
ちなみに、音楽研究の世界でもレスピーギのピアノ作品は長年日陰の時代を過ごしていましたが、近年は再評価が進み、オーケストラだけでないレスピーギ像が復活しつつあります。
この曲集は20代中ごろに作曲されたもので、雰囲気はドビュッシーの〈月の光〉に似ていますが、やっぱりそこはイタリア。歌曲のようなメロディーと、印象派絵画のような淡い伴奏が、他の曲にはない独特の夜の世界を描き出しています。
静かな夜にぴったりな、まるで月光のふりそそぐテラス、といった趣(ドビュッシーの前奏曲集にそんな名前の曲がありましたね)。
夜想曲とはいえど、ショパンやフィールドのような夜想曲というよりは、夜の風景画のような。
シチェルバコフの演奏で、お楽しみください。