名曲紀行 vol.1 ババジャニアン《エレジー~アラム・ハチャトゥリアンの思い出~》
お久しぶりです、raindropです。
さて、本当に久々の更新となりましたが、今日から連載を始めようと思います。
別のところで連載していたのが終わってしまったので、しばらくはその供養のような感じになりますね。
その名も、名曲紀行。
クラシックをはじめとした音楽は、古今東西、様々な時代や国でつくられてきました。そこには、作曲家たちの背負った歴史や、見聞きしたこと、感情の発露が凝縮されており、文化の万華鏡ともいえる面白さ、美しさがあります。
しかし、クラシック音楽というとなんだか難しそうで……とか、しょせん貴族の文化、そんなものは知らないとか、色々な理由で避けられもするのがこのジャンル。
しかし、作曲家だって人間です。我々が深く共感できるもの、あっと驚くこと、涙すらさそうメロディーなど、音楽には大切なエッセンスがたくさん詰まっているのです。
もちろんクラシックだけが音楽ではないので、ここでもポピュラー音楽を取り上げていこうと思いますが、やっぱり中心はクラシックで行きたい。
この拙いブログを読む方々のなかで、クラシックを元々好きだったけれどもっと好きになった、とか、まったく興味がなかったけれど、少しは面白いと思えた、とか、そんな読者様がひとりでも生まれてくださったら、望外の喜びです。
私なりの曲の解説と、最後にオススメの音源を載せる形で書いていきたいと思います。
さて、第一弾、お国はアルメニア。ババジャニアン作曲《エレジー~アラム・ハチャトゥリアンの思い出~》をお届けします。
東欧の作曲家、というと誰を思い浮かべますか?
名だたる音楽家が数多くいますが、本日ご紹介するのはアルメニアのババジャニアン。
1950年以降に活動していますから、現代の作曲家といえますね。故郷アルメニアでは切手にもなっているんですよ!
彼は民族的な色彩が強い音楽を数多く残しました。
その中で、本日は「エレジー~アラム・ハチャトゥリアンの思い出~」をご紹介。
哀愁を湛えたメロディーが印象深く、その旋律が発展しながらクライマックスに向けてどんどん切実さを増してゆきます。一度聴いたら忘れない、哀愁の中にも安らぎや優しい息づかいの感じられる名曲です。
アルメニアの作曲家というと、〈剣の舞〉とか《仮面舞踏会》で知られるハチャトゥリアンだけが有名ですが、そんな大作曲家に強く憧れていたのがババジャニアンだったのです。
演奏は、2015年ショパンコンクールで2位とソナタ賞を獲得した、シャルル・リシャール=アムラン。コンサートでも度々ババジャニアンの曲をとりあげ、親しみと愛情をこめて聴衆に届けています。